暗いコンサートホールでの撮影|FUJIFILM X-Pro2
暗所での撮影に向けた準備
いつもお世話になっているフォトグラファーから、とあるアマチュアオーケストラのコンサート当日のリハーサルと本番の撮影を手伝ってほしいとの依頼をいただきました。
コンサート風景はやったことがなかったので、あくまでもサポートなら、ということで引き受けました。
引き受けたものの、いろいろと不安になりました。
まず、メイン機であるX-Pro2は果たして暗いコンサート会場でどこまで使えるのか、ということです。
X-Pro2には手ぶれ補正がないため、暗所での撮影はかなり厳しいことが予想されました。
そこで、ISO感度のAUTO設定時の上限を普段の3200から6400へと引き上げました。
あとは、低速シャッター限界をそれぞれ「AUTO」、「1/250」、「1/500」に設定し、さらにすぐに設定できるようにFnボタンに割り当てました。
次に、レンズについてです。
残念ながら、普段はストリートスナップとポートレートを撮っているため、望遠ズームを持っていません。
ちなみに、手持ちのレンズで一番長い焦点距離はXF90mmF2 R LM WRの換算137mmです。
コンサート撮影において、特に本番中は限られた場所からしか撮影できないので300mm以上はないと厳しいということから、これは致命傷ともいえます。
そこで、富士フィルムのサービスステーションにてXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISをレンタルしました。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを選んだのは、三脚を使用しての撮影がほとんどできない状況ということで、580gという軽さで望遠端305mmまで撮ることができ、しかも4.5段分の手ぶれ補正がついているからです。
このレンズは、本番中の撮影において活躍しました。
最後に、上記のレンタルも含めた機材を以下にまとめます。
<カメラ>
- FUJIFILM X-Pro2
- GR
<レンズ>
- XF16mmF1.4 R WR
- XF35mmF2 R WR
- XF90mmF2 R LM WR
- XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS ※レンタル
<その他>
- 予備バッテリー(NP-W126S)×3
- 予備SDカード(SANDISC 64GB)×4
X-Pro2は暗所でどこまで耐えうるか
結論から言いますと、個人的にはISO6400でギリギリ使える写真は撮れると思います(プリントで大きく引き伸ばしたら微妙かも)。
リハーサルにおいては、XF90mmF2 R LM WRが大活躍しました。
ステージ前から手持ちで指揮者や演奏者を開放値で撮影したのですが、ほとんどISO1000以下(シャッター速度1/160くらい)できれいに撮ることができました(権利の関係上、作例がなくて申し訳ないです)。
本番においては、ステージ袖の天窓と会場後方の映写室からしか撮れないので、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISが大活躍しました。
ただし、F値が暗いのでほとんどISO6400(シャッター速度1/250くらい)で撮りました。
冒頭の結論で書いたとおり、個人的にはISO6400でギリギリ使えるなと感じました。
拡大したらやはりノイズは出ていて気になってしまいますが、全体で見ると決して破たんしていることはなく、また立体感もそれほどまで失われていることもありません。
試しに、ISO12800まで拡張して撮ってみたのですが、こちらはノイズがひどかったので推奨しません。
以上、ご参考になれば幸いです。
さらばX-Pro3、僕はX-Pro2を愛している
楽しみだったX-Pro3
9月20日(金)、渋谷で開催されたX Summit 2019において、待望のX-Pro3の開発が発表されました。
ボディをこれまでのマグネシウム合金からチタンへの変更、また当機の特徴の一つである「ハイブリッドビューファインダー」の刷新と、次々と嬉しい情報が公開される中で、最後に衝撃的な仕様が発表されました。
それは、背面モニターを内側に搭載した「Hidden LCD」です。
従来のような背面モニターを常時内側に隠し、モニターを確認したいときはチルト式モニターのように下に開く(180度まで可動できるようです)と見ることができるというものです。
僕はこの仕様を聞いた瞬間に大きく落胆し、X-Pro3を購入することを見送ることに決めました。
自分のストリートスナップのスタイルとは真逆だった
僕がストリートスナップを撮るときは、主に背面モニターを確認しながら撮っています。
もちろん、ファインダーを覗いて撮る場合もありますが、1:4の比率くらいで背面モニターを見て撮影することが多いです。
なぜファインダーを覗かないのかというと、眼前に広がる世界との連続性が絶たれるからです。
ストリートは常に変化しています。
それらを感知しシャッターを切るまでの間に、ファインダーを覗くという行為を挟むと、その一瞬の変化を逃してしまう恐れがあります。
それならばファインダーをすぐ覗けるように構えていればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、それだと行き交う人に不信感を与え、リアルなストリートが撮れなくなります(特に左目が利き目だと、さらに大変)。
ストリートスナップはいかに撮影者が街に溶け込み、そのアトモスフィアを記録やアートに昇華させることが重要だと考えています。
加えて発表では、ウエストレベル撮影は90度にパネルを開き、上からのぞくように撮ればいいと言っておりましたが、いちいち視線を上下させてストリートを撮るのは結構大変です。
以前、OLYMPUSのOM-D E-M1を所持していた際、チルトモニターを90度に開いてスナップしたことがあるのですが、僕には難しくてすぐにやめてしまいました(そういえば、二眼レフでストリートを撮っていたヴィヴィアン・マイヤーはどうやっていたのでしょうか? もしかしてノーファインダーで撮っていたのでしょうか?!)。
以上のとおり、自分の撮影スタイルと今回発表されたX-Pro3は相性がかなり悪いです。
もうこの時点で購入することはないでしょう。
僕はX-Pro2を愛している
そう考えると、X-Pro2は自分にとってほとんど完璧なカメラです。
造形も美しく、写りも美しい。
ストリートスナップもそうですし、ポートレートにおいて相手を威圧しないカメラとしてかなり重宝しました。
僕はそんなX-Pro2を心から愛しています。
なので、カタログで掲載されているあのボロボロになったX-Pro2のように、僕もそこまで使い込みたいと思います。
願わくば、それまでにX-Pro2に代わる素晴らしいカメラが発売されるといいのですが。
コマNO.の上限です|FUJIFILM X-Pro2 etc...
恐怖!「コマNO.の上限です」という宣告
先日、家族で外出した際にFUJIFILM X-Pro2で写真を撮っていたら、液晶画面にこんな表示が出ました。
「コマNO.の上限です」
そして表示後は、何度シャッターを押しても写真を撮ることができなくなってしまいました。
目的地に到着したばかりで、撮り始めて数枚というところだったので、血の気が引きました。
すぐに、スマホで近くのコンビニを検索し、そこでSDカードを買うことにしました。
最悪、SDカードが売っていない場合は、この際だから同じ富士フィルムの「写ルンです」を買って撮ろう、と腹を決めました。
幸いにも、近くにあったコンビニにはSDカードが置いてあり、無事に購入することができました。
しかし、SDカード(16GB)2枚で3,000円というちょっと痛い出費でした。
その日は何とか無事に、家族写真を撮ることができました。
対応方法について
帰ってから、この表示について調べると、公式HP「デジタルカメラQ&A」にその答えが掲載されていました。
digitalcamera.support.fujifilm.jp
詳細は上記リンクを参照していただきたいのですが、要はSDカードをフォーマット(初期化)しないと解決できないということです。
つまり対応として、
- カメラ内でSDカードをフォーマット(初期化)して、また撮り直す
- 近くのコンビニ等でSDカードを購入して、それを使用する
- あらかじめ、予備のSDカードを用意する
が考えられます。
最初の「SDカードをフォーマット(初期化)する」は、撮影データを消すことになるので、あまり現実的な手段とは言えないです。
やはり一番安全なのが、「あらかじめ、予備のSDカードを用意する」でしょう。
ということで、早速SDカードケースを購入し、予備のSDカードを入れて一緒に持ち歩くようにしました。
参考になれば幸いです。
Yokohama Classic Chrome|XF35mmF2 R WR
港町はクラッシッククロームが似合う
個人的に横浜の山下公園や元町・中華街エリアをスナップするときは、FUJIFILMのクラッシッククロームで撮るといい画が撮れると思っています(モノクロも捨てがたいですが)。
山下公園は緑があふれ、また元町は落ち着いた色合いの建物が多く、そして中華街は老朽化した雑多な色合いの建物があり、まさにクラッシッククロームで表現するにはいい場所です。
以下に、作例をいくつか載せますので、ご参考になれば幸いです。
作例:X-Pro2 + XF35mmF2 R WR
※すべてJPEG撮って出し
ここのエリアは本当に撮っていて飽きません。
いつかこのエリアで撮った写真のみの写真展とかできたらいいな、と考えています。
<使用機材>
FUJIFILM ミラーレス一眼 X-Pro2 ボディ X-Pro2
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2016/03/03
- メディア: エレクトロニクス
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東京展が終わっての感想とか|グループ写真展
東京展が無事に終了して
おかげさまで、無事に東京展を終えることができました。
お越しいただいた方には、この場を借りてお礼申し上げます。
今回、僕が出展した作品は、以前にもご紹介したコスプレ写真です。
今回の作品について、会員から賛否があったらしい(?)のですが、「現代写真」という視点からおおむね好評的に受け止められました。
さらに嬉しいことに、とある会員から恐縮するくらい褒められました。
誰かに褒められるというのは久しぶりなような気がして、何だか気恥ずかしいのと同時に、次の作品制作に向けての自信につながりました。
しかしながら、大きく引き伸ばされたプリントを見ると、いくつも「あー、ここはもっとこうすればよかったな・・・」と思うところがあり、猛省しているところです。
本当に反省しています・・・。
写真に貪欲に、そして楽しく
その東京展の期間中に、会員が集まる機会がありました。
そこではさまざまな写真家たちからお話を伺う機会に恵まれ、大変勉強になったのとともに、大きな刺激を受けました。
中でも刺激を受けたのは、長年にわたって天体写真家として活動されている方が、最近になってスナップ写真にチャレンジするようになったということで、普段スナップ写真を撮っている僕に対してスナップ写真を撮る上でのポイントなど、いろいろと質問されたことでした。
いくつになられても、新しいことにチャレンジされる貪欲さにはただただ敬服するばかりで、自分の不勉強さを痛感させられました。
さてさて、来年に向けて何を撮ろうかーーそうやっていろいろと考えるのが最近とても楽しいです。
最後に
この後にも、京都、長野、名古屋と巡りますので、お近くにお住まいの方でご都合のつく方がいらっしゃれば、ぜひ写真展にお越しください。
どうぞよろしくお願いいたします。
スナップ“スナイパー”|XF90mmF2 R LM WR
換算137mmでストリートスナップ
XF90mmF2 R LM WRというと、ポートレートやスポーツ撮影に最適ということですが(公式HPより)、意外にもストリートスナップにも使えます。
XF90mmF2 R LM WRでストリートスナップを撮るメリットを以下にまとめてみました。
- 被写体に気づかれることなく、遠くからストリートの自然な表情をとらえることができる
- 狭い画角が周囲の余計な情報を排除し、ストレートに伝えたいことを伝えられる
- 他のスナップ写真にはあまりない画角なので、差別化しやすい
逆に、デメリットとしては・・・
- レンズが大きく、近くにいる人には警戒されやすい
- はっきりとしたイメージやテーマがないと使いづらい
ということが挙げられます。
でも、間違いなくおもしろいスナップ写真が撮れます。
以下に、作例を載せたいと思います。
XF90mmF2 R LM WRは意外にも汎用性のあるレンズだと思います。
とはいえ、この画角は好き嫌いがあると思いますので、店頭やレンタル等で実際に確かめられることをおすすめします。
<参考:XF90mmF2 R LM WRでポートレートを撮った記事>