パワハラから始まったフォトライフ<その1>
きっかけは上司のパワハラ
僕が写真を始めたのは2012年の8月。
ちょうど就職して、広報を担当する部署に配置されたときです。
そのときの上司がフルサイズ至上主義者(後に分かったことですが・・・)で、人生で一度も一眼レフカメラを使ったことのない僕に対して、カメラをきちんと使えるように指導(?)してくれました。
以下、その指導内容です。
指導1:初任給で一眼レフを買うこと
指導2:買ったカメラで毎週土日に、与えられた課題について写真を撮ってくること
今思えば、完全にパワハラなのですが、リーマンショック&東日本大震災の状況下でやっと就職できたということもあり、必死に食らいつこうとがんばりました。
初任給はすべてカメラの購入で消える
まず指導1「初任給でカメラを買うこと」について。
カメラを買え、と言われても何のカメラがいいのか素人には分かるはずがありません。
ネットで調べても、様々な意見があり、余計に混乱するばかりでした(上司に聞いても「自分で調べろ」とのこと・・・)。
そこで思い切って、某大型家電量販店のカメラ売り場の店員さんのおすすめを買うことにしました。
ただし、事前にネットで調べたことを参考に、背中にカメラ会社のロゴがある人(メーカーの人間)ではなく、家電量販店のロゴがある人に聞くことにしました。
これは、中立な立場から意見を聞くためです。
まず勧められたのは、CANON 7Dでした。
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今思えば、確かに素晴らしいスペックです(当時の僕は、説明を聞いても分からなかった)。
しかし、残念ながら予算と合致しませんでした・・・。
次に、僕の予算を伝えた上で勧められたのが、PENTAX K-30のダブルレンズキットでした。
店員さん曰く、レンズが2本あった方が今後いろんな場面で役に立つでしょうし、勉強にもなるとのこと。
予算的には少しオーバーしていたが、これ以上何を考えたって分からないし、店員が勧めているんだからこれにしようと決めました。
後日、上司にPENTAX K-30のダブルレンズキットを買ったことを報告しました。
すると渋い表情で「ぺんたっくすぅ?」と言われました。
どうやらこの上司はCANONもしくはNIKONではないとカメラとして認めない人だったのです。
すぐさま上司は、価格.comで検索をかけ、PENTAX K-30を調べました。
幸いにも、とても評価が高かったため、上司からは「まあいいか」と言われるだけにとどまりました。
完全なミーハーじゃないか、と思いました。
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後日、初任給をカメラの購入にほとんど使ってしまったことを知った両親からは、親不孝者といわれました。
消えゆく休日、課題という名の業務
そして、次に指導2「買ったカメラで毎週土日に、与えられた課題について写真を撮ってくること」へ移行しました。
上司から与えられた課題は、「ウェブサイト用にオフィス街をイメージした写真がほしいので、新宿に行って写真を撮ってこい」というもの。
その週の土曜日、電車で1時間以上かけて新宿へ行きました。
とりあえず、オフィス街らしいところを歩いて撮影しました。
月曜日、撮ってきた写真を見せると、また渋い顔をされました。
上司曰く、ほとんどの写真が下から上へ仰ぐようにビルばかりを撮っている。そうではなくて、もっと視線を下にして人が行き交う様子を撮ってほしい、と。
その種の土曜日、またまた電車で1時間以上かけて新宿へ。
上司の指示通り、スナップ写真的にオフィス街を撮りました。
月曜日、とってきた写真を見ると、また渋い顔をされました。
上司曰く、歩いている人が少ない、とのこと。
そんなの休日なんだから人は少ないに決まっています。
すると上司は、平日に有給休暇を取ってもう一度撮ってこいと言いました。
その週の平日の朝、満員電車に揺られ新宿へ。
今度こそはと思い、多くの人が行き交う新宿オフィス街を撮りました。
翌日、上司に撮ってきた写真を見せると、また渋い顔をされました。
上司曰く、おしゃれ感がない、とのこと。
僕、涙目です。
そして、上司はしばらく写真をじっと見た後、衝撃的な言葉を発しました。
曰く、やっぱ新宿じゃないな。今度は丸の内に行って撮ってきて、と。
翌週の平日、有給休暇を取って丸の内へ。
まばゆいOLたちを画角に入れてシャッターを切りました。
それら撮った写真を上司に見せると、ようやくOKをもらえました。