「静」と「動」をとらえる万能なカメラ|FUJIFILM X-T4 私的レビュー
X-T4を購入した動機
久しぶりの更新となりました(前回の更新から200日以上も経過…)。
さて先日、3年間使用してきたX-Pro2を下取りに出し、富士フィルムの新製品X-T4を購入しました(あれだけX-Pro2と心中する、とか言っていましたが…)。
購入の動機の前に、まず私がどんな写真愛好家なのか、簡単に紹介いたします。
<主な撮影ジャンル>
<主な所有レンズ>
- XF16mmF1.4 R WR
- XF35mmF2 R WR
- XF90mmF2 R LM WR
つづいて、購入した主な動機を以下のとおり箇条書きでまとめてみました。
- 成長する子供の動き回るシーンを写真と動画の両方で残したい。
- ストリートスナップの撮影は、X-Pro2よりもGRⅢを使用することが多くなり、いっそのことストリートスナップはすべてGRⅢで撮ろうと考えた。
- 年に数回ほど依頼されるポートレートやコンサートなど、手振れといった失敗が許されないような撮影に対応するため。
- 大好きなレンズであるXF90mmF2 R LM WRを、シャッタースピードを気にすることなく使用したい。
やはり、上記の動機1と2が大きいですね。
2については、GRⅢがバッテリーの消費以外は大変優秀で、もうストリートスナップはこれ一つで十分じゃないかと思っています。
もちろん、X-T4も今後ストリートスナップで使用したいとは考えてはいますが、メインは家族写真や年に数回ある撮影依頼に対応するためです。
2カ月使用してみての感想
まず結論から言うと、「X-T4、最高!」の一言に尽きます。
それまで所有していたX-Pro2は大変良いカメラ(金銭的余裕があれば、買い戻したいくらい)ですが、X-T4はそれを上回るカメラです。
まず何が良いかというと、動画と写真がスイッチ一つの切り替えで簡単に撮影できることです。
私はYou Tuberでも何でもなく、むしろ動画に関しては全くの素人で、単に子どもの記録を残したいために撮っているだけです。
現在、私の子どもは4歳で、公園で遊具を使用して遊んだり、ストライダーに乗りはじめたりと、これまで以上に活発になってきました。
もちろんX-Pro2でも動画は撮影できるのですが、手持ち撮影ではどうしても手振れしてしまい、撮れた動画は見るに耐えない(酔ってしまう)ものでした。
ジンバルの購入を考えたのですが、どれも高価でなかなか手が出せないままで、動画撮影はあきらめていました。
でも、やっぱり元気に動き回る子供の姿を動画で残したい…そんな願いをかなえてくれたのがこのX-T4でした。
公式サイトで主な特徴としても挙げられていますが、「手振れ補正」と「AF性能」が大変優秀で、手振れを気にすることなく気軽に手持ちで動画を撮影できます。
AF性能は、画像処理エンジンがX-Pro2のものから大きく刷新されているため、予測不能な動きをする動体(子ども)に対して食いつくようにピントを合わせることができます。
「手振れ補正」と「AF性能」、この2つだけで購入を決めても後悔はしないと思います。
AF性能について
X-Pro2と比較してですが、格段に速くなっています。
特に、AF-Cは別次元といってもよいほどで、ストライダーで疾走したり、ボールを蹴って遊ぶ子どもを確実にとらえていました。
スチルと動画ともに、このAF性能には助けられています。
その他-気になる点など-
① バリアングルモニターについて
バリアングルについて、ネット上では賛否両論のようですが、個人的にはもうこれは慣れしかないと思います。(笑)
幸いにも、仕事上でCANON EOS Rを使用しており、光軸がずれたモニターでの撮影はある程度慣れていたので、個人的に問題はありませんでした。
②バッテリーについて
これも非常に優秀です。
手振れ補正で消費電力は多いはずなのですが、カタログスペックのとおり長時間での撮影でも問題ないと思います(この点、GRⅢは見習ってほしいものです…)。
一応、バッテリーは予備を1つ購入しましたが、まだ出番はありません(まあ、近所でのちょっとした撮影しか使用していませんので…)。
③露出補正ダイヤルについて
X-Pro2の露出補正ダイヤルとは違い、硬いです。
どれくらい硬いかというと、X-Pro2では親指で簡単に回せるのですが、X-T4は親指と人差し指の2本でつままないと回すのがちょっと難しいです。
しかし、これも慣れると瞬時に回せるようになります。
むしろ、何かの拍子で露出補正の設定が変わってしまうことがなくなり、これはこれで良いと思います。
④シャッターについて
最高です。
X-Pro2よりは軽く、X-H1よりは重い、絶妙な塩梅だと思います。
軽快にシャッター切ることができ、より写真を撮ることが楽しくなります。
作例
本当であれば、街や風光明媚な場所に出かけて撮りたいところですが、このようなご時世ですので、近所で撮影したものをいくつかご紹介して終わりたいと思います。
(1/5400, F2, ISO320, EV+1, XF35mmF2 R WR, PROVIA)
(1/5400, F2, ISO320, EV+1, XF35mmF2 R WR, ASTIA)
(1/80, F5.6, ISO320, EV+1/3, XF35mmF2 R WR, クラシッククローム)
(1/680, F2, ISO320, EV+1 1/3, XF35mmF2 R WR, ACROS)
(1/100, F8, ISO160, EV-2/3, XF35mmF2 R WR, クラシックネガ)
(1/52, F5.6, ISO2500, EV-1 1/3, XF35mmF2 R WR, ETERNA ブリーチバイパス)
(1/250, F2, ISO6400, EV±0, XF35mmF2 R WR, クラシックネガ)
その瞬間を逃さないカメラ|GRⅢレビュー
GRⅢを購入しました
本来はX-Pro3に使うはずだった貯金を、古くなったGR(無印)を更新する目的で使いました。
なぜX-Pro3の購入を見送ったのかについては下記の記事をご覧ください。
正確に言うと、貯金とあわせてGRとXF23mm F2 R WRを下取りに出して買いました。
XF23mm F2 R WRを手放した理由は、画角が自分に合わなかったことが一番の理由です(どうも35mmは相性が悪いらしい)。
それでは実際に使ってみて気がついた良い点と悪い点を上げていきたいと思います。
GRⅢの良い点(主にGRと比較して)
- 解像感が向上している
- 液晶がきれいになった
- 起動時間が早い
- AFが格段に早くなった
- 手ぶれ補正が大変役に立つ
- 顔検出AFもなかなか使える
- すごくコンパクトになった
GRⅢの悪い点(主にGRと比較して)
- バッテリーの持ちが話にならないくらい酷すぎる
- バッテリーが心配になるくらい放熱する
- 暗所でのAFは改善したものの、やはり実用には程遠い
- 意図しないでコントロールダイヤルを回してしまうことがよくある
- シャッターボタンが少し硬くなった(気のせい?)
- この値段で4K非対応(スチールメインなら気にしない?)
本当に、出てくる画はGRよりもすごくきれいになりました。
また、手ぶれ補正も思っていたよりも強力で、夜のスナップに重宝しています。
確実にGRよりも進化していますが、唯一退化したのがバッテリーの持ちです。
これはもうお話にならないくらい酷すぎます。
これまでGRでは1度充電すれば2~3日は使えたのですが、GRⅢは同じ使い方で3~4時間持たないくらいです。
これには大きく落胆しました。
GRⅢは買うべきか?
はっきり言えば、初めてカメラを買う人にはおススメしません。
この値段(この記事を書いている時点の最安値は約95,000円)であれば、中古で中級ミラーレス機ボディが買えてしまいます(あとはレンズ代をがんばる)。
一方で、スナップをメインで撮る人と、トリミングや加工に耐えうる写真が撮れるサブ機を探している人にはおススメだと思います。
ただ、この値段なんですよね・・・。
おおむね満足しているのですが、値段相応かと言われると少し微妙かもしれません。
個人的には、8~7万円台まで下がってから買ってもいいような気がします。
最後に、いくつか作例をご紹介します。
<GRⅢ:作例集>
※すべてPhotoshop加工済み
RICOH デジタルカメラ GRIII GRIII APS-CサイズCMOSセンサー リコー GR3 15041
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2019/03/15
- メディア: Camera
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暗いコンサートホールでの撮影|FUJIFILM X-Pro2
暗所での撮影に向けた準備
いつもお世話になっているフォトグラファーから、とあるアマチュアオーケストラのコンサート当日のリハーサルと本番の撮影を手伝ってほしいとの依頼をいただきました。
コンサート風景はやったことがなかったので、あくまでもサポートなら、ということで引き受けました。
引き受けたものの、いろいろと不安になりました。
まず、メイン機であるX-Pro2は果たして暗いコンサート会場でどこまで使えるのか、ということです。
X-Pro2には手ぶれ補正がないため、暗所での撮影はかなり厳しいことが予想されました。
そこで、ISO感度のAUTO設定時の上限を普段の3200から6400へと引き上げました。
あとは、低速シャッター限界をそれぞれ「AUTO」、「1/250」、「1/500」に設定し、さらにすぐに設定できるようにFnボタンに割り当てました。
次に、レンズについてです。
残念ながら、普段はストリートスナップとポートレートを撮っているため、望遠ズームを持っていません。
ちなみに、手持ちのレンズで一番長い焦点距離はXF90mmF2 R LM WRの換算137mmです。
コンサート撮影において、特に本番中は限られた場所からしか撮影できないので300mm以上はないと厳しいということから、これは致命傷ともいえます。
そこで、富士フィルムのサービスステーションにてXF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISをレンタルしました。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISを選んだのは、三脚を使用しての撮影がほとんどできない状況ということで、580gという軽さで望遠端305mmまで撮ることができ、しかも4.5段分の手ぶれ補正がついているからです。
このレンズは、本番中の撮影において活躍しました。
最後に、上記のレンタルも含めた機材を以下にまとめます。
<カメラ>
- FUJIFILM X-Pro2
- GR
<レンズ>
- XF16mmF1.4 R WR
- XF35mmF2 R WR
- XF90mmF2 R LM WR
- XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS ※レンタル
<その他>
- 予備バッテリー(NP-W126S)×3
- 予備SDカード(SANDISC 64GB)×4
X-Pro2は暗所でどこまで耐えうるか
結論から言いますと、個人的にはISO6400でギリギリ使える写真は撮れると思います(プリントで大きく引き伸ばしたら微妙かも)。
リハーサルにおいては、XF90mmF2 R LM WRが大活躍しました。
ステージ前から手持ちで指揮者や演奏者を開放値で撮影したのですが、ほとんどISO1000以下(シャッター速度1/160くらい)できれいに撮ることができました(権利の関係上、作例がなくて申し訳ないです)。
本番においては、ステージ袖の天窓と会場後方の映写室からしか撮れないので、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISが大活躍しました。
ただし、F値が暗いのでほとんどISO6400(シャッター速度1/250くらい)で撮りました。
冒頭の結論で書いたとおり、個人的にはISO6400でギリギリ使えるなと感じました。
拡大したらやはりノイズは出ていて気になってしまいますが、全体で見ると決して破たんしていることはなく、また立体感もそれほどまで失われていることもありません。
試しに、ISO12800まで拡張して撮ってみたのですが、こちらはノイズがひどかったので推奨しません。
以上、ご参考になれば幸いです。
さらばX-Pro3、僕はX-Pro2を愛している
楽しみだったX-Pro3
9月20日(金)、渋谷で開催されたX Summit 2019において、待望のX-Pro3の開発が発表されました。
ボディをこれまでのマグネシウム合金からチタンへの変更、また当機の特徴の一つである「ハイブリッドビューファインダー」の刷新と、次々と嬉しい情報が公開される中で、最後に衝撃的な仕様が発表されました。
それは、背面モニターを内側に搭載した「Hidden LCD」です。
従来のような背面モニターを常時内側に隠し、モニターを確認したいときはチルト式モニターのように下に開く(180度まで可動できるようです)と見ることができるというものです。
僕はこの仕様を聞いた瞬間に大きく落胆し、X-Pro3を購入することを見送ることに決めました。
自分のストリートスナップのスタイルとは真逆だった
僕がストリートスナップを撮るときは、主に背面モニターを確認しながら撮っています。
もちろん、ファインダーを覗いて撮る場合もありますが、1:4の比率くらいで背面モニターを見て撮影することが多いです。
なぜファインダーを覗かないのかというと、眼前に広がる世界との連続性が絶たれるからです。
ストリートは常に変化しています。
それらを感知しシャッターを切るまでの間に、ファインダーを覗くという行為を挟むと、その一瞬の変化を逃してしまう恐れがあります。
それならばファインダーをすぐ覗けるように構えていればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、それだと行き交う人に不信感を与え、リアルなストリートが撮れなくなります(特に左目が利き目だと、さらに大変)。
ストリートスナップはいかに撮影者が街に溶け込み、そのアトモスフィアを記録やアートに昇華させることが重要だと考えています。
加えて発表では、ウエストレベル撮影は90度にパネルを開き、上からのぞくように撮ればいいと言っておりましたが、いちいち視線を上下させてストリートを撮るのは結構大変です。
以前、OLYMPUSのOM-D E-M1を所持していた際、チルトモニターを90度に開いてスナップしたことがあるのですが、僕には難しくてすぐにやめてしまいました(そういえば、二眼レフでストリートを撮っていたヴィヴィアン・マイヤーはどうやっていたのでしょうか? もしかしてノーファインダーで撮っていたのでしょうか?!)。
以上のとおり、自分の撮影スタイルと今回発表されたX-Pro3は相性がかなり悪いです。
もうこの時点で購入することはないでしょう。
僕はX-Pro2を愛している
そう考えると、X-Pro2は自分にとってほとんど完璧なカメラです。
造形も美しく、写りも美しい。
ストリートスナップもそうですし、ポートレートにおいて相手を威圧しないカメラとしてかなり重宝しました。
僕はそんなX-Pro2を心から愛しています。
なので、カタログで掲載されているあのボロボロになったX-Pro2のように、僕もそこまで使い込みたいと思います。
願わくば、それまでにX-Pro2に代わる素晴らしいカメラが発売されるといいのですが。
コマNO.の上限です|FUJIFILM X-Pro2 etc...
恐怖!「コマNO.の上限です」という宣告
先日、家族で外出した際にFUJIFILM X-Pro2で写真を撮っていたら、液晶画面にこんな表示が出ました。
「コマNO.の上限です」
そして表示後は、何度シャッターを押しても写真を撮ることができなくなってしまいました。
目的地に到着したばかりで、撮り始めて数枚というところだったので、血の気が引きました。
すぐに、スマホで近くのコンビニを検索し、そこでSDカードを買うことにしました。
最悪、SDカードが売っていない場合は、この際だから同じ富士フィルムの「写ルンです」を買って撮ろう、と腹を決めました。
幸いにも、近くにあったコンビニにはSDカードが置いてあり、無事に購入することができました。
しかし、SDカード(16GB)2枚で3,000円というちょっと痛い出費でした。
その日は何とか無事に、家族写真を撮ることができました。
対応方法について
帰ってから、この表示について調べると、公式HP「デジタルカメラQ&A」にその答えが掲載されていました。
digitalcamera.support.fujifilm.jp
詳細は上記リンクを参照していただきたいのですが、要はSDカードをフォーマット(初期化)しないと解決できないということです。
つまり対応として、
- カメラ内でSDカードをフォーマット(初期化)して、また撮り直す
- 近くのコンビニ等でSDカードを購入して、それを使用する
- あらかじめ、予備のSDカードを用意する
が考えられます。
最初の「SDカードをフォーマット(初期化)する」は、撮影データを消すことになるので、あまり現実的な手段とは言えないです。
やはり一番安全なのが、「あらかじめ、予備のSDカードを用意する」でしょう。
ということで、早速SDカードケースを購入し、予備のSDカードを入れて一緒に持ち歩くようにしました。
参考になれば幸いです。
2020年にKNOTFEST JAPAN開催決定!|SLIPKNOT
実に4年ぶりとなる開催
待っていました!
待ち望んでいたKNOTFEST JAPANが、2020年3月20日(金)・3月21日(土)の2日間に渡り、幕張メッセにて開催されることが決定しました。
前回、DOWNLOAD FESTIVAL JAPANについて取り上げた時にも「KNOTFESTが2019年以降に日本でも開催されるんじゃないか」と期待していたので、本当に開催されることが決まってとても嬉しいです!
KNOTFESTはこれまで参戦したことはないのですが、SLIPKNOTとしては2008年のジャパンツアーと同年のLOUD PARK に参戦しました。
ということで、もし今回のKNOTFEST JAPANに参戦することになれば、個人的には約12年ぶりにSLIPKNOTを拝めることになります。
非常に楽しみですね。
気になるラインナップは?
公式HPには、8月に詳細発表とあり、まだラインナップは発表されておりません。
個人的には、今年ニューアルバムがリリースされるKORNやKILLSWITCH ENGAGEがラインナップされることを期待しております。
そして、8月末に何か動きを見せるであろうTOOLや、今年10年振りにニューアルバムをリリースしたRAMMSTEINもぜひラインナップして欲しいところです。
続報に期待しましょう!
渋谷スナップ【Monochrome ver】|RICOH GR
やはり都市スナップはモノクロに限る
前回の記事のつづきです。
やはり渋谷もそうですが、大都市のスナップをモノクロで撮ると、なんだかカラーよりも雰囲気のある写真になる気がします。
それでは、いくつか作品を載せていきますので、ご笑覧いただければ幸いです。
作例:RICOH GR
GRで撮るときは、大抵モノクロ設定で撮っています。
なので、スナップを撮る自分の視界は、モノクロでイメージされた世界が広がっています。
たまに、その世界で色が差すときがあります。
そんなときはカラーに仕上げて、その色を大切にしています。
RICOH デジタルカメラ GR APS-CサイズCMOSセンサー ローパスフィルタレス 175740
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/05/24
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